mrbq

なにかあり/とくになし

高いところから失礼しますよ その4

展望ラウンジから
さらにエレベーターを乗り継いで
もう少し上にのぼると
そこにあるのが世界最高峰フリーフォール
「ビッグ・ショット」乗り場だった。


カジノ街の百万ドルの夜景を一望出来る絶叫マシンとあって
これは長蛇の列を覚悟した。


……が、
あれ? くらい。
それに誰もいませんよ。


よく見ると
暗闇の中に
所在無さげに立つもぎりの係員がいた。
その先には椅子にくくりつけられた
あわれなひとたち……じゃなくて
これから上昇するひとたち。


山しか見えないサイドにも座席はあるが
そちらは空席。
そりゃそうだ。
夜に山見たってねえ。


係員はぼくを制止して
「今からもうはじまるから次まで待て」とのこと。


酔っぱらった先客のみなさまが
えへらえへらと笑いながら
発射を待っていた。


こんな感じ。



アナウンスが流れて数秒……。


バビューン!


そんな感じで
お空高く白人さんが舞い上がっていきました。


犬の遠吠えみたいな悲しげな叫び声が
上の方から聞こえてきた。


あーあ、
次はおれか。
どうなりますやら……。