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なにかあり/とくになし

鳥と蜂、先達を解釈する

昨日、
ザ・バード&ザ・ビーの新作
ホール&オーツのカヴァー集だと書いたら、
ばっちりのタイミングで盤を入手出来た。
書いてみるものですね。


このカヴァー集、
正式には
「インタープリテイティング・ザ・マスターズ」という企画の第一弾らしく、
この続きでどんどん別のアーティストの作品も手掛けていくようだ。


それが彼女たちが意図したエイティーズな気分なのか、
才女イナラ・ジョージらしからぬイージーなアレンジが気になる部分もあるけれど、
なにしろ王道な選曲がいいし、
アルバム冒頭の
ホール&オーツ全盛期の雰囲気を醸し出すオリジナル曲
「ハード・イット・オン・ザ・レディオ」が
恥ずかしいくらい甘酸っぱいので
文句のひとつぐらいはひっこめてあげる。


ところで
各曲のクレジットを見ていて思い出したのは
ダリル・ホールの彼女であったサラ・アレンのこと。
「サラ・スマイル」に歌われた女性そのひとでもある。


彼女とその妹のジャナ・アレンは
ホール&オーツの重要なヒット曲に
共作者として名を連ねている。


マンイーター」のような
英語的に見てもユニークとしか言いようのないフレーズや
「アイ・キャント・ゴー・フォー・ザット」のような
日常会話すれすれのフレーズを歌詞に持ち込む役目は
サラやジャナが担っていたとも聞いたことがある。


初期のホール&オーツの名曲
ラスヴェガス・ターンアラウンド」を思い出せば
確かサラの職業は飛行機のパーサーであると歌われていた。


ホール&オーツがスーパースターになっていっても
彼女自身は決してプロに転身することなく
自分のペースを守り続けたはずだ。


ホール&オーツ
アレン姉妹を軸にひもとくソングブック。


せっかくイナラは女性なんだから、
それぐらい言ってみてほしかった気もするけど、
まあ無粋な意見はよしておこう。


アウトロのフェイクまで
ほぼ原曲に忠実に歌われる
「ワン・オン・ワン」を聴いて
すこし野暮を忘れる。