mrbq

なにかあり/とくになし

マトちゃん軍団あらわる

夜道を歩いて戻ってくると
家の近所のくらがりに光る目あり。


来た。
女中……。


女中シメキリは
原稿のシメキリになると
ぼくのちかくにあらわれる。


形状は
本田ちよに似ているときもあれば
マトリョーシカのように連隊を組んでいるときもある。


今回はどっちだ。
植木の向こうに
目がビカ、ビカ、ビカビカビカビカ……。


ひとつひとつは大きくないが
結構数がいて、
ごそごそとうごめいている。
マトちゃんタイプか。


ゴールデンウィークを遊びほうけているうちに
女中がいつのまにか集結してしまったのだ。


しかし
そんなときに限って
あたまの中で考えているのはまったく別のこと。
今夜はそっちをやらせてもらいます。
ね、いいでしょ!……と、遠くを見やる。


シメキリ女中のマトちゃん軍団は
うしろを向いて知らないふりをしてくれた。


「一晩だけですよ」


明日からちゃんとします。
懸案をやり終えて
風呂で石黒正数ネムルバカ」再読。
再々々々々々々々々々々々々々々読ぐらいかも。