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なにかあり/とくになし

ミトさんの打ち方

clammbonのミトさんと麻雀をしたのは
ちょうど一年ぐらい前のことだ。


グッドラックヘイワのアルバムにつけるブックレットの企画で
野村卓史くん、伊藤大地くん、ミトさん、ぼくというメンバーで
雀卓を囲んだのだ。
不思議なメンツだ。


朝までやって
家に帰って
ネットのニュースを見た。
そこで初めて忌野清志郎の訃報を知った。


それであの世の記憶が一気に吹き飛んでしまったのだが、
一年経ってあらためて冷静にあの夜を振り返ってみると
ミトさんはかなりの打ち手だった。


子どもの頃からお父さんに鍛えられて、
みたいな話を聞いた気もした。
そんな話をさりげなくしながら
するっと良い手をあがる。


手強いなと思った。


たしかそのときに
原田郁子さんもかなり麻雀が強いという話を聞いたはずだ。


この日、
人生初麻雀だった大地くんに
人生初ロンをぼくは献上した。
そのときのうろたえぶりは
ブックレットにもしっかり記録されている。


それから一年経って、
clammbonの久々のニューアルバム「2010」を聴いた。


これはいい。


ぐるっと回ってかつての場所に戻ったのではなく
ぐるっと回って反動をつけて飛び出して
2010年の気持ちよさに着地したサウンド


不謹慎ながら
この手強いサウンド
あの夜のミトさんの打ち方を
思い出した。


隠れてトリッキーな手を育ててもよし。
ナチュラルに堂々と勝ちに行ってもよし。


今は「JAPANESE MANNER」という曲を
気に入って聴いている。