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なにかあり/とくになし

松永良平におやつを与えないでください

ツマが家の掃除をしていたら
2001年秋の買付の写真が出てきた。


このときの買付は
思い出が深い。


ハイファイが今の場所に引っ越してから
はじめての買付だった。
9.11直後の渡米だった。
当時諸事情により無職だった渋谷の弟を
ドライヴァーとして雇った買付だった。
あのとききみたちは若かった……というほどでもないが
今よりは確実に若かった。


こういう昔の写真を見ると
たいていの場合は
「やせてるねー」とか
「若いねー」などと言われるものだが
なんだか自分の写真は
あごの無精ひげが見当たらないのと
着ている服が今とは違うくらいで
たいした違いがない。


ほかのふたり(弟と大江田さん)は
それなりに感慨深いくらい違いがあるんだがなあ。


それで思い出したのは
2002年の正月から
思いきった減量を始めたことだった。


歳をとると
家族や兄弟でもからだをじろじろと見る機会は
なくなっていくものだが、
この買付のときは
なにしろ四六時中弟と一緒にいたものだから
両者の違いが際立って感じられたのに違いない。


当時の弟は
50キロを切るくらいの体重だったが
ぼくは70キロを超すぐらいだった。


おなじ親から生まれたものが
どうしてこうも異なる進化を遂げるのよ、と。


たぶん
このときの買付中に感じた
弟へのジェラシーというか
自分への情けなさが
ぼくに強い決意をさせたのだ。


02年の前半、
かくしてぼくは10キロ以上の大減量に成功した。
当時の証拠として
02年秋の健康診断での
62キロという体重が書面で残っている。


だが
残念ながら
急激な減量に成功したことで
かえって気のゆるみが出て
今じゃ01年とおなじような体型に戻っている。


ツマに言わせると
それでも写真のなかのぼくの方が
ずっとやせて見えるそうだから
きっと今の方が全体的に肉がゆるんでいて
いろんな脂肪がだぶついているのだろう。


実は
ここひと月ほど
減量に取り組みはじめているのだが、
2001年の旅の写真が
もっとまじめにやれと
サインを送ってきたということなのか。


というわけで
今後は
松永良平にむやみにおやつを与えないでください。


あ、
むやみに、ですよ。
ちょっと、はいいですよ。


あ、
それから先日は
また梨をいただきました。
梨はほとんど水分で出来ているそうだから、
梨ならいいか……。