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なにかあり/とくになし

ア・デイト・ウィズ・バンヒロシ その4

日曜日(7日)の朝。
窓の外が白ちゃけてきたころに目が覚めた。


ここはどこだ。
自宅じゃない。
京都五条の
鴨川を東にわたってすこし歩いたところにある
ふるい書生宿みたいなゲストハウスの一室。
無駄なものがなにもない部屋に
布団を敷いてぼくは寝ていた。


部屋のなかにはテレビすらない。
だが
古さと風情はたっぷりある。
だから殺風景とは言わない。


はずした腕時計を見ると6時半とある。


ああ、そうだ。
朝8時には六曜社に行きますよと
安藤さんに約束していたっけ。
ここから歩けば20分くらいだろうか。


窓を開け
しばらくぼっと外を見て
髪を乱暴にとかして
宿を出る用意をして7時半。


帳場にだれもいないので
鍵を置き
書き置きをして出た。


支払いは
昨日のうちにバンちゃんが済ませてくれておいたのだという。
ありがとうございます。


朝の鴨川をわたる。


途中、
思うところあって不意に角を曲がったりしながら歩く。


朝8時
約束通り開店一番の客で六曜社へ。
モーニング・セットでトーストをぱくついていると
二番目のお客さんが。


なんと!
昨日のイベントに東京から来てくれた
ライターでベーシストのY内さんじゃないか。


いや待てよ、
そうだった、
昨日のうちに
一緒に東寺のがらくた市に行きましょうと誘ったのは
ぼくのほうだった。
「8時から六曜社でお茶してます」とも伝えていたのだ。
おどろく話じゃない。


自分で約束して
自分で忘れて
自分でおどろく。


自分のおどろきやすさに
ちょっとだけ感心した。
そんなんばっかり、ですが。


Y内さんと一緒に
友人で編集者のS上さんもご来店。


S上さんは
小西康陽
マーシャル・マクルーハン広告代理店。ディスクガイド200枚。小西康陽。」に
かかわった編集者のおひとりだと紹介された。
おつかれさまです。


六曜社を出る前に
安藤明子さん(バイト中)に
ある思いつきを話し快諾をいただいた。
これで先のたのしみが出来たわ。


おみやげに珈琲豆を買い、
会計を済ませ、
では
いざ東寺に。(つづく)


ア・デイト・ウィズ・バンヒロシ その4 松永良平