mrbq

なにかあり/とくになし

斬り介とジョニー四百九十九人斬り

正月休みも今日で終わり。


雑煮を食べ終えた昼下がり、
請求書を切らしたので駅前まで買いに行ってくると
われながら実にとってつけた理由をツマに述べて
家を出た。


請求書を年末で切らしていたのは本当。
今週末までに送付せよと
編プロから言いつかっているのも本当。


でも
別にそれは明日
出勤するついでに買っても問題ない。


本当の理由は
これを買いたかったから。


榎本俊二斬り介とジョニー四百九十九人斬り」(KCデラックス)。


昨日の夜、
ウェブで表紙を見かけたとき
思わず目をごしごしこすった。


手塚治虫どろろ」の現代版かよとも思わす
スタイリッシュなアートワーク。


これって
あの「ゴールデンラッキー」の
あの「えの素」の
あの「ムーたち」の
あの「思ってたよりフツーですね」の
榎本俊二の新作ですよね?


かっこいいじゃないか!


肝心の中身は
超ハイスパートの
大量殺戮時代劇。


「何故?」という
しゃらくさい理由付けの一切を取り払った
ばっさばっさばっさ
生首ちょんぱ
血糊ぶしゅー。


意味がないのに
ドラマチック。
全編を通じて
ハイパーなミントタブレットを口に詰め込んだような
度を超した痛快感が味わえる。


これが榎本さんの
あたらしい路線なのかどうかはわからないが
新鮮なショックを受けたことは確かだ。


ロバート・ロドリゲス
この漫画を教えて
マチェーテ」の終盤を撮り直ししてほしい。
それとも
グラインドハウス」シリーズの
新作はこれでいいのかも。


あー興奮した。


あやうく忘れそうになっていた
請求書を買い、
阿佐ヶ谷RAREの初売りで
3枚ほどLPを買った。


家に帰って
明日シメキリの原稿のためにいただいた
あるシンガーの音源を聴く。


「このCDが今年最初の仕事?
 それって運がいいの? どうなの?」


ツマがいぶかしげに言った
そのひとことで
妙なアドレナリンが湧いてきた。


また今年も
妙なる一年がはじまりそうです。