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なにかあり/とくになし

花の受難

泉昌之食の軍師」(ニチブンコミックス)が
売れているらしい。


行きつけの渋谷文教堂
こないだまで平積みしてあったのに
きれいさっぱりなくなっているし、
Amazonでは入荷待ちで品切れになっている。


信憑性の高そうなことを言いながら、
情報ソースが
はなはだ狭い範囲のものですいません。


でもまあ、
買っておいてよかった(ちいさなしあわせ)。


一方
おなじ久住昌之さん原作の食漫画なのに
えらい目に遭っているのが
花のズボラ飯」(秋田書店)。


こちらは昨年12月に発売され、
書評も良く
好調な出だしと思われたのに
Amazonで不可解な取扱中止を宣告されている。


一説には
作画担当の水沢悦子さんの
別名での萌え系漫画での執筆活動が
問題視されたがための処置とも言われているが、
現状では理由は一切発表されていない。


例のあの
超ばかな都条例に関連してのことだろうか。
だとしたら
なんてばかばかしい!


確かに
原作の久住さんには
女性主人公が
美味さに恍惚とするその画が欲しくて
水沢さんを起用した狙いもあったかもしれないけどさ!


しょせん
単なる(超おもしろい)食い物漫画ですよ!


Amazonが今回とっている
こうした過剰反応は
ひとつのギャグとしてとらえることも出来るのかもしれないが、
なんとなくそれで済ますのはイヤな感じがする。


むしろ
もやもやと得体の知れないまま
社会に入り込もうとする全体主義に対して
“自主規制”という名の
体のいい通り道をつくってあげているのと一緒だと思う。


未来世紀ブラジル」で描かれた
“未来世紀”って
この21世紀のことだったのかも。


結局
花のズボラ飯」は
地元阿佐ヶ谷の書店であっさり見つけた。


孤独のグルメ」や
「百合子のひとりめし」が好きな読者なら
何を気負う必要もなく
当然手に入れておくべき
そして
ごく普通に手に入るべき一冊だった。


そして
リアル書店(および小売店)というメイン・カルチャーに対する
小気味の良いカウンター・カルチャーがネットだったはずのに、
リアルな街なかの店のほうが
とっくにカウンター化していたのだとも
妙に実感してしまった。


街の本屋さんよ!
ここは「花のズボラ飯」を平積みにして
心意気を見せるときですぜ!


【追記】
久住昌之さんの日記でも
この件については早くから書かれていました。
こちらです。
北海道の先輩より教えていただきました。