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なにかあり/とくになし

おいしいことが一日にふたつ手に入ることは、ありうるのか

吉祥寺を出て
所沢に向かうのが
予定よりも遅くなった。


吉祥寺のソーラーギャラリーで行われていた
漫画家グループ、はしレンジャーの展示会にて、
尊敬するイシデ電さんの直筆サインを
持参したコミック「月光橋はつこい銀座」にいただくために
列に並んでいたせいだった。


とっさのリクエストに応えて
素晴らしいサインを描いていただき
本当にありがとうございました!


岩岡ヒサエさん
谷川史子さん
ポストカードにサインをありがとうございました。


青木俊直さんはPC作業にお忙しそうだったし、
志村貴子先生にはサインを求める長蛇の列が出来ていた。


その5人で
“はしレンジャー”は出来ている。


後ろ髪を思い切り引かれつつも
ギャラリーを出る。


ドトールの前で待っていたツマと合流し、
一路、所沢へ。


上京して24年目になるが
ひょっとしたら所沢で降りたのは
はじめてかもしれない。


大きなデパートを過ぎると
急にさびしげな暗がりにつつまれた道を
いそいそと歩く。


ceroのギタリスト、橋本翼くんのバンド、
ジオラマシーンのライヴを見るためだった。


ところが
目的のライヴハウス、所沢Mojoの扉を開けたら
演奏がちょうど終わった気配。
そして
ステージで撤収をしているのは橋本くん。


ゲー!


ジオラマシーンの出番は
終わったのだ。


うかつだった。
出番をちゃんと訊いておけばよかった。


ツマがぼくを見て
「おいしいことは一日に二度はなかなか手に入らないのよ」と
ストーンズの歌みたいなことを言う。


はい
その通りです。
その通りかもしれません。
その通り……なんでしょうか。


橋本くんには「ごめんなさい」と謝罪した。


しかしこの夜、
おいしいことが一日に二度手に入る、
そういうことは、ありうるのだと
ぼくとツマは知ることになる。


トリに出てきたのは、
かねてからウワサに聞いていたバンド、
片想い。


そのえも言われぬ素晴らしさを
ぼくは今日ようやく体験した。


あんまり
ツボに入りすぎたので
このことはまた、あらためて明日にでも書く。
片想いというバンドについて
ぼくはもっと言葉を尽くしたい。


それに
うれしいことが一日にふたつもおこったら
まとめて書くなんて出来やしない。


イシデ電さんの名作「月光橋はつこい銀座」を
ぼくは心から愛しているんだから。


書きながら思い出したが、
大好きな漫画家さんの
大好きな単行本にサインをいただいたのは
川崎ゆきおさんの「猟奇王」に
サインをいただいて以来だから
約10年ぶりの体験だった。