すべての“難あり”な野郎どもに
Boojilさんのコミックエッセイ
「難あり男子」(集英社)を読む。
Boojilさんのイラストを見て
すぐに思い出したのは
和田誠さんや久里洋二さんがコマ切れアニメで
実験的なことをやっていた白黒時代の「みんなのうた」。
どの歌だったかは
すぐには思い出せないけど……。
絵柄の感じを懐かしいというふうに
おもしろく思ってるんじゃなくて(ぼくだって生まれてないか、まだヨチヨチ)、
思ったことを
脳と絵筆が直結して描いたふうな
今そのまんま思ってることなのよ的なダイレクトさが
たくましく好ましいのです。
内容そのものは
事前にもしやと想像していた
日本中の難あり男子の実態を
女子の鋭い舌鋒でメタメタにブッタギルというものではなく……
まあなんというか
爆笑苦笑しながらも
男子大いに励まされるというか、
さんたさん(登場する最強難あり男子)の立場に自分を置けば、
Boojilさんはとてもかわいいですし(オマエハアホカ)。
ちなみにぼくは
「難あり男子」を読みながら、
リレー読書で
音楽的な“難あり男子”たちのさまざまな生態をつづった
「トッド・ラングレンのスタジオ黄金狂時代」(P-Vine Books)と
「プライベート・スタジオ作曲術」(P-Vine Books)を交互に読んでいたので、
本家「難あり男子」のエンディングには
ホント、救われた思いになった。
なので
男子も、もじもじせずにどんどん読んだらいいと思う。
もし
あなたの心に「難あり男子」がすこしでもいる自覚があるのなら
なおのこと……。
2011年9月11日。
このむかつく世界を
このかたむく社会を
このおかしな毎日を生きる
すべての“難あり”な野郎どもに愛を。