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なにかあり/とくになし

ニューガール・イン・ザ・ネイバーフッド

ズーイー・デシャネルの新ドラマ
ニューガール」のテーマソングを聴いていて、
妙なデジャヴを感じていた。


この曲に似た曲を知っている、というのではなくて、
「“ニューガール”と言えばさあ……、おまえ」という
頭のすみっこから記憶がぼくに呼びかけるのだ。


モヤモヤしたまま
レコード屋で朝っぱらから買付をしていたら
「S」の棚で指が止まった。


「お」


緑のスポーツカーに寄りかかって
ピンク色のフィフティーズ・スーツでキメたあなたは……
クリス・スペディングさん。


ブリティッシュ・ロック界で
若くして渋いギター職人として知られたクリスが
実はおれの本当に好きなのはこれと
フィフティーズ狂をカミングアウトした1975年の名盤です。


これがファースト・アルバムならバッチリなんだけど、
その前に
若渋路線で3枚もアルバムを出している。
でも、
そのフンギリのつかない感じもニクメナイ。


当時の名ギタリストたちを
次々にコピーしてみせた珍曲「ギター・ジャンボリー」で有名なアルバムだけど、
ぼくが好きだったのは
アルバムの一曲目だった。


それが
ニューガール・イン・ザ・ネイバーフッド」。


近所に気になる娘が越してきたぜ、って
身もふたもない
ティーンエイジ・ロマンス。


クリスの
朴訥な歌と
スキのないギター・テクニックがまた
口べたな板前さんの恋心みたいで、いい。


なかなか告白出来なくて
千切りのスピードだけ超あがる、みたいな。


いくらマニアックな趣味のズーイーちゃんでも
さすがに
この曲は知らないだろうなあ。


でも
「ニューガール」を見たいと
首を長くして待っている全世界の野郎どもの気分は
この曲に確かに入ってると思うよ。


帰国したら
ひさびさにターンテーブルに乗っけよう。