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なにかあり/とくになし

ぼんやり哲学

帰国して一夜明け。
今日は一日休み。


風邪の熱はすっかり失せたのだが
咳がひどく
起きたらほとんど声が出ない状態。
休みはありがたい。


寝たり起きたりしながら原稿を書くつもりが
結局
寝て寝て寝まくって陽が暮れた。


思ってた以上に
体力を消耗していたらしかった。


すっかりくらい時間になって
めったに見ない夕方のテレビ(除「5時に夢中!」)を点けたら
民放のニュース番組をやっていた。


特集コーナーだとかで
「あのヒマそうなタバコ屋や肉屋は
 何故もうかっているのか?」
というテーマで
練馬区あたりの店を取材していた。
ふとん屋さんもあったか。


寝ぼけ眼で見ていたら
まあそれなりに
店舗の繁盛とは違う理由で
それぞれ堅調にやってらしたけど、
はっきり言って
これは業種もしくはそのお店にまつわる
個別の特殊なケースでしょ。


個別の事情を一般化して
あたかもだれにでも実現出来るように語る
インチキなビジネス書のような特集に
はっきり言ってあきれた。


だが、
夜中になると
雀荘や居酒屋に設置した自動販売機から売上を回収してまわり、
昼間は
ほとんど客の来ない店先で
寝ぼけたまま犬とたわむれながら
ぼけえっと脱力しながら暮らし、
それでいて
「うーん、そうだなあ、年商は1億2千万くらい……」
とつぶやくタバコ屋店主のおっちゃんの
なんだかひたすら他力本願なぼんやり哲学には
不気味なリアリティがあった。


この日本
がんばったってムダよ、的な。


夜、
ツマが仕事に出ていたので
阿佐ヶ谷駅前で待ち合わせて外食することにした。


その前に
阿佐ヶ谷書楽で
平積みでプッシュされていた
ヤマザキマリPIL」と
待望の刊行だった
北沢夏音Get back, SUB!」を買う。


吉本浩二「日本をゆっくり走ってみたよ」2巻は
売り切れなのか見当たらなかった。


日本を離れていたあいだに発売されて
すこし時間が経っているとは言え、
ぼくとしては
これも平積みになってておかしくないんだけど。