あの人に会いたい

昨日のイベント明け
ふらふらで帰り着いた。

バタンキュー。

でも
今日は3時出勤だから寝ていられる。

ツマは
深大寺の手作り市に友人と参加するため
ぼくの帰宅と入れ違いくらいの時間に
早朝から出かけていったらしいが
まったく記憶にない。

それでも
体内時計は妙に律儀にはたらくもので
昼前にガバッと目が覚めた。

「カーネーション一週間」見らんと！

毎週日曜日の
午前11時台に放映されている
朝の連ドラ「カーネーション」のダイジェスト。

ぼくはひそかに尾野真千子ファンです。

仕事のある日曜日には
いつも11時には家を出ているので
見られないことをうらめしく感じているのだが
今日は見られるじゃないか。

明け方に
酔っぱらって
もうろうと床に着いたくせに
そのことは意識していたらしい。

急いでスイッチを入れると
田辺聖子さんをすこしふやかしたような
関西弁のおばあさんが何やらしゃべっている。

ああ
ご本人。

「カーネーション」のヒロイン、小原糸子のモデルで
コシノ三姉妹の母親
小篠綾子さんだった。

あれ、まだご存命だったっけ？

そうではなかった。

亡くなってしまった魅力ある著名人の言動を
NHKに残るアーカイブから掘り起こして構成した
「あの人に会いたい」という番組を再放送していたのだ。

小篠綾子さんは2006年に92歳で亡くなっていた。
娘たちが世界的デザイナーに成長しても
生涯を市井の洋装店主として
服づくりに捧げた。

愛嬌のあるお顔で
話もユーモラスで楽しいけれど、
決して引かない向こう気の強さもしっかりと表に出ていた。

ほえ〜と感心して見ているうちに番組は終わり、
「カーネーション一週間」も
すでに放映終了したことを知らされた。

残念。
勘助（登場人物です）が戦地から帰国した回を見逃していたのに。

ぼくの体内時計なんて
しょせんそんなもの。
でもまあ今日は
ちょっとニクいズレ方をしてくれたよねと
腹を撫でた。

体内時計というものは
お腹に宿っているに決まってるのだ。

ああ腹減った。

のそっと動きだし
布団をたたんだ。

あくびしながら
すこし調べたら
「あの人に会いたい」の小篠綾子さんの前の週は
忌野清志郎だった。

ああ、あの人に会いたい。