mrbq

なにかあり/とくになし

星野源の別エピソード「部屋(友達編)」 その1

星野源
清水ミチコをゲストに迎えた
リキッド・ルームでのライヴ
星野源の別エピソード「部屋(友達編)」」に出かけた。


開演前に
チョコクロワッサンで軽く腹ごしらえしていたら
近くにいた女の子のふたり連れが
今日のライヴについて話す声が聞こえてきた。


「最初にミッチャンで大笑いして〜、
 それから源くんでなごんで〜」


確かに
2年ほど前の赤坂BLITZ
清水ミチコ×サケロックという顔合わせが実現したときは
そんな構成だったよなと
ぼくも思い出す。


あのときの清水さんの
スーパー・フロント・アクトぶりは
そのあともしばらく語りぐさになった。


ところが
今回の構成はその逆というか
良い意味で予想を裏切るものだったのだ。


ステージには
ギターとマイクとピアノだけ。


まず最初に出て来たのは
星野源


ひとりで出てきて
今日は弾き語り。
セミアコのざらついた音質をうまく使った星野源のひとり歌は
バンド以上にエモーショナルな瞬間を歌に与えるときがある。


それに
ちょっとぐらいミスっても
あわてふためいておろおろしてしまわずに
「ぼくの部屋でぐだぐだしてるつもりで」
みたいなことを言って場をくつろがせ、
ひと呼吸してまた一気に歌のなかにはいる。


そしたらもう
ぶれない。


ドラマ「11人もいる!」で毎週披露されている名曲
「家族なんです」もさらりと歌ったり。


技術という言葉はしゃらくさい気もするけど
そういうリカバリーの仕方を
星野源の内側に対しても
外側に向かっても無理なく出来ることが
今、彼がどんどん獲得している表現の技術だし奥行きだとも思えた。


それから
星野の紹介で
清水ミチコの登場。


清水さんの堂々としたステージを
笑って感動しながら見ているはずなのに
何故か
今日の星野源は良かったなと反芻しているという不思議な時間が
ぼくの頭のなかでは流れた。


清水ミチコ・アワーは
喝采のうちに終了。
清水さんが星野源をもう一度舞台に呼び戻す。


あとは
2、3曲一緒にやって終わりかな、と
ぼくもみんなも予想した。


ところが
ここからショーは
思わぬ方向に転がりはじめたのだった(つづく)。