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なにかあり/とくになし

SWEET ROMANCE

台風が接近する渋谷へ出かけ
すこしだけお店で仕事した。


風雨の強まりを避け
5時で閉店。


電車のなかでは
カーネーションの新作「SWEET ROMANCE」。


この新作の不思議なところは
アルバムとしては
もしかしたらあまり統一感がないように思えるのに
そのばらばらさに
とても魅力があるところだろう。


カーネーションとはこういうものだ、を
あんまり守ろうとしていない感じ、と
言ったらいいだろうか。


ふたりになったカーネーションの第一弾アルバムだった
「Velvet Velvet」も
とてもポップで力強いアルバムで、
3人→2人になってもカーネーションの音ですよということを示すべく
求め求められる音の基本を
しっかりと固めていくようなところがあった。


そういう意味でいうと
「SWEET ROMANCE」は
その逆だ。


結果的にどんな作品になろうと
このふたりがいる限りは
それがカーネーションであるという腹のくくりかた。


へこたれたら
必要だと思ったら
だれか手を貸してよと素直に言える
風通しのよさがあるというか。


たいせつなひとや景色との別れに
せつなく揺れる心がまる見えで
大のおとなが泣いちゃって、と思われたって
このふたりならいいじゃないかという
人生のつづけかた。


おなじ人間がつくってるんだから
みんなおなじになる、ではなく、
おなじ人間がつくるものだからこそ
おなじにはならない。


歳取ってまるくなるんじゃなくて
もっとわけわかんなくなる。


そういう人間の摂理に正直な
うつくしさがある。


それがすごく本能的で
ひたすらに気持ちいい。