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なにかあり/とくになし

銀髪の鬼を見る

風呂からあがると
NHK教育でドキュメンタリー作家の
森達也氏がフレッド・ブラッシーについて語っていた。


ああ、そうか。
今、「知るを楽しむ」の
「私のこだわり人物伝」は
4回連続で悪役レスラーを紹介しているのだ。


日曜の夜に
その再放送をやっていたというわけ。


銀髪鬼フレッド・ブラッシーの奥様が
日本人女性であることは知っていたが、
実際にお話をされる姿を見たのは初めて。


アメリカで日系のひとと会ったりするときも思うが
日本語が正しく端正で
ドキッとする。


ブラッシーの放つ罵倒語で有名な
「You pencil neck geeks!」は
「この変態野郎!」と訳されていた。


それでもよろしいが、
実際に、もっと詳しく訳すと
「この痩せてひょろひょろ(鉛筆のような首)のオタク野郎ども!」
という意味。


それだと日本語の罵倒としては
ちょっと勢いに欠ける。


これは相手ががりがりだと言いたいのではなく
自分の肉体と迫力を誇示してのおどし文句なわけだから
まあ「この変態野郎!」に威圧感が込められているので
よしとすべきなのだろう。


それにしても
「耳の穴から手を突っ込んで奥歯がたがた言わしたろか」
みたいな日本生まれの秀逸なおどし文句は、
俳句と同じように歴史に残してはどうか?


話がそれそうなので
ブラッシーに戻る。


番組内で
「このひとは
 80年代の初めに
 『Pencil Neck Geek』というレコードも吹き込んでましてね」


なんてセリフが
森さんの口から飛び出したら
もっとドッキリしただろう。


ブラッシーのレコードを発売した
世にも珍奇なレコード会社は、あのライノだった。


このシリーズ、
今週火曜日15日はアンドレ・ザ・ジャイアントだってば!