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なにかあり/とくになし

君は浅川マキを聴いたか

重いものではないけれど、
齢40、持病はある。


月に2度ほど病院に通って
薬を処方してもらう。


その待合室で
ふと手にした「週刊朝●」。
ぱらぱらとめくる。
ヒデキ(西城秀樹)の連載は
ざっくりした文体が本人っぽくて好きだ。
たぶん、ゴーストじゃない(そう思いたい)。


「お薬お待ちの松永さ〜ん」と
名前を呼ばれる一瞬前だったか、
亀和田武さんの書いた、ある問いかけが目に飛び込んできた。


「君は浅川マキを聴いたか」


ちょっとドキッとして、
「はい、一時期。最近も、少し」と心の中で即答して、
「週刊朝●」を閉じて処方箋をもらった。


薬局で薬を待ちながら
あらためて、あれは何だったのかを考えてみた。


あの文章は亀和田さんが読者にそう問いかけているとうよりも、
確か「君は浅川マキを聴いたか」という連載を
どこかの雑誌でやっていると紹介した文章ではなかったか。


そうだそうだ。
そんな感じだった。


早速、リサーチをかけてみたら
文源庫という出版社から発行されている月刊誌「遊歩人」という雑誌で
リレー・エッセイとして続いているものだった。


2008年の6月号より連載は開始されていて、
第一回は、平岡正明
(追記:ご冥福をお祈りいたします)
その後、
最首悟
井家上隆幸
田中優子
佐藤洋二郎
イッセー尾形
桜井順
新内秀一
中島紘一
坂上
日名子暁
相倉久人
小嵐九八郎
と続いて、
この7月に出た号が
森詠
という並びになっている。


リレーというからには
この並びにも前後のつながりがあるのだろうな。
今、なぜ、浅川マキというテーマ、
そしてこのあまりに渋すぎる人名の並び(失礼ながら存じ上げない方も)、
日本の音楽雑誌ではまず通らない企画だろうな、
でもいつかは本にするのだろうか、
そのときは是非読んでみたい、などと考えたり。


「遊歩人」はオンデマンド出版も同時にやっているようなので
誌面をPC上で購読することも出来るようだが、
それでは味気ないので
一度本屋で見てみようと思っている。


我ながらびっくりしたのは
去年のちょうど今時分にも
浅川マキについて書いていたこと。


暑い夏になると
浅川マキを聴きたくなる性質らしい。
あんな、黒装束のひとなのに。


暑い夏に聴いたと言えば、
ついこないだの夜、
DJやけのはらがキセルのライヴの前にかけた
RC「イマジン」から
クール&ザ・ギャング「サマー・マッドネス」の
残酷なほど見事なつなぎに、
絶句して感動したのだった。