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なにかあり/とくになし

サンドイッチな一日

大雨の昼、
玉川上水ロバハウスまで出かけた。


朝から渋谷で働き、
中抜けをさせてもらって
電車を乗り継いで行った。
昼間のイベントなので、
夕方に終了後は
また渋谷まで戻る。


サンドイッチな一日というわけ。


うとうとしながら乗っていたら、
乗り換えを逃してえらく遠回りになったが、
ショピンの出番があやうく終わりそうになる直前に
なんとかたどり着いた。


ショピン主催のイベントということ、
名古屋から大好きなICHIさんが出るということ、
ザ・ハンドというイギリス人男女デュオを是非見てほしいと
田中馨に誘われたこと。
それ以外に情報がない。


まあ、それだけあれば十分か。


結論から言うと、
無理をした甲斐はあった。


で、ここからいいところなんですが、
今、サケロックのライヴ(東京キネマ倶楽部)が始まったんで、
このつづきはまたあとで……。


(数時間経過)


……というわけで
ライヴも終わって自宅にたどり着いたので
そのつづきを。


40人ほどがほどよく着座して埋まったロバハウスの室内は
ぬりかべと木造が組合わさったユニークな内装で
生楽器には理想的な音響をしていた。


リラックスしていながら無駄な要素がなく
ここには音楽しかないと見る者に思わせる雰囲気。


そのシチュエーションが
いくらか加勢をした面はあるのかもしれないが、
それを差し引いても
気分のいい数時間だった。


とりわけ
ザ・ハンドにはまいった。
ザ・ハンドとは
うわさには聞いていたブリストルのフォーク美女
レイチェル・ダッドと相棒のウィグ・スミスのユニットだったのだ。


フランスでのライヴ映像を見つけたので
とりあえず雰囲気だけでもこちらから。
ウィグ・スミスが弾いている面妖な楽器(21弦!)は
アフリカのコラだそう。


このロバハウスでのコンサートは
ザ・ハンドとICHIが全国数カ所を回ってきたツアーの
最終公演も兼ねていたのだと知った。


深くきびしい場所から生まれたはずの音楽を
やさしくくすぐるように歌う彼女。


これほどマニアックな音楽もないだろうに
押し付けるような部分が一切ない。
聴いているぼくたちは
その音を知るために何かを事前に学ぶ必要がない。
それって最高のことだ。


おまけにこの娘、
去年8ヶ月日本に滞在したとかで
とてもキュートでブロークンな日本語を話すんだぜ。


愛くるしいという言葉は
レイチェル・ダッドのためにある……なんつって。


彼女になら、ちょっとのぼせたっていいだろう。


サンドイッチな一日の
とっておきの具が
彼女だったのだ。
帰り道に雨がどれだけざあざあ降ろうが
今日はいい一日だったと言いたい。