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なにかあり/とくになし

感激! 偉大なるライノ! その10

mrbq2010-10-31

壇上に居並ぶ
偉大なるテンプルシティ・カズー・オーケストラの面々。


30数年ぶりに集ったその顔ぶれは
オリジナルとは大きく異なるものだが
いろんな意味で興味深い編成になっていた。


何故なら
8人ほどのメンバーの半分を
ライノ創設者リチャード・フース一家が占めていたからだ。


リチャード自身
そして奥様と思われる女性、
さっき自作のコミックソングを披露したハーリー、
そして彼女の姉と思しきよく似た女性。


そこにハロルドや
彼らと付き合いが長そうな
ヘンなおっちゃんが3人ほど。


彼らの前に立って観客にお辞儀をしたお茶の水博士風の男性は
すぐに“オーケストラ”の方へ向き直ると、
クジャクが羽根を広げるように
さっと両手を宙に振り上げた。


次の瞬間
右手の先に握られたタクトに
メンバーの視線は集中し、
また見ているぼくたちの視線は
メンバーがさっとくわえたカズーに集中した。


タクトがすっと振り下ろされると
ブイー
ブイー
ブイー
ブイー
と4層の低い音が順にハーモニーに加わってゆき
タクトが振り上がると同時に
ブッホブッホブッホブッホ!と
巨象の咳き込みにも似た重低音カズーがリフを刻む。


2001年宇宙の旅
いや
「2001年カズーの旅」だった。
いやいや
「2010年カズーの旅」だった。


この
あまりにもおごそかで由緒正しいばかばかしさに
店内からは
失笑と喝采が同時にわき上がる。


濃厚なファンファーレが終わると
今度はユニゾン
ブヒーブヒーブッブッブッ
ブヒーブヒーブッブッブッ
と聞き覚えのあるリフが鳴り始めた。


これは
「ホール・ロッタ・ラヴ」
つまり
「胸いっぱいのカズーを」だ!


列から一歩踏み出して
リード・カズーを務めるのはリチャード・フースそのひと!
ロバート・プラントみたいにシャウトはできなくても
つぶれたカエルみたいなカズーのいななきが
その代わりをしてくれる。


顔面を真っ赤にしながら
ひざまづき
寝転がり
客席にダイブ……はしなかったけど、
リチャードのふるまいは
まさに熱演と呼ぶにふさわしいものだった。


ま、
ひとによっては
罰ゲームにしか見えないかもしれないけどね!


こうして
約5分足らずで
テンプルシティ・カズー・オーケストラ
世紀の再結成は終了した。


いかなる美化も許さず
いかなる思い入れもはねつけ
殿堂入りとかいう現場からの棚上げを徹底的に拒否する
真の意味での音楽文化人たちの命がけの無駄を
ぼくは見た、ような気がした。


でも
その感動をひとことであらわすとこうだ。


「あんたたち、いったい何考えてんの!」


あ、リチャードがこっちに来た。(つづく)


感激! 偉大なるライノ! その10 松永良平


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では今日は
先日のなぞなぞの素晴らしき誤答を紹介します。


問題は
松永良平の誕生日に
 遠くからいろんなひとたちが駆けつけてくれました。
 ところがどういうわけか
 みんなここまで来た方法が一緒でした。
 さて
 どうやってここへやってきたでしょうか?」
でした。


さあ
みなさんの素晴らしい道に迷い方をどうぞ。


●小さい独楽に乗ってくるくる回ってきた→小独楽で来た→ここまで来た。


●仔馬に乗ってきた→子駒で来た→ここまで来た。


●走ってきた→駆けつけたと書いてあるから。


●電車で→遠くから来た→遠路はるばる来た→遠路が線路に似ている。


●歩き→遠路→遠く(とおく)→トオクがウォークに似ている。


●スキーで来た→みんな松永良平が好き(スキー)。


いや〜、最後の誤答は読んで顔が赤くなりました。
ありがとうございます。


なお、
出題者の想定を超えた完璧な回答はこちら。


●ハッピを着てバスで来た→ハッピーバースデー。


おあとがよろしいようで。