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なにかあり/とくになし

ネット裏

作家の吉村昭氏が亡くなっていた。
帰りの電車の中で大江田さんと話しているときに、
ふと目に入った隣のひとの読んでいる日経新聞に追悼文。
書いていたのは確か黒井千次氏。


一瞬、思考が飛ぶ。


戦艦武蔵」をぼくに薦めてくれたのは、高校の同級生だった。
亡くなったと知って最初に浮かんだのは彼の顔。
究極の脱獄をテーマにした「破獄」や、
無人島での絶望と希望を扱った「漂流」は、
ぼくの弟とやたら盛りあがった記憶がある。
そして、最高傑作とは言えないかもしれないけど、ズシンと沁みたのは
前野良沢杉田玄白を描いた「冬の鷹」。


ご冥福をお祈りします。


ジャンルは違うが、現在も活躍中の方で、
吉村氏のテイストをぼくが強く感じているのが、
東スポ」で野球コラムを連載している越智正典氏。


このひとの連載「ネット裏」ほど
味わい深くてためになる野球コラムは今は他にない。
そう断言する。