mrbq

なにかあり/とくになし

服部良一 郷愁のメロディー

CD化は半永久的に無理だろうと思われていた
パーシー・フェイス楽団の日本録音「不滅の古賀メロディー」が
タワレコの店頭に並んでいた。


文字通り、古賀政男メロディーを豊かに流麗にオーケストラルに“洋楽化”した傑作。
1970年日本制作である。


アナログ盤はキラーとしてDJのときに重宝していたから、何となくショック。


しかも、今回のCDには、その2年後に再び日本録音を敢行した
服部良一 郷愁のメロディー」まで“2イン1”で同時収録ときた。
青い山脈」がようやく聴ける。


このオリジナル・アナログをずっと探し出せずにいたのだ。
むぐうーぐうーぐうー(ホゾを噛んで悔しがる音)。


“2イン1”というCDのスタイルは貧困な発想としか思えないし嫌いだが、
このカップリングならば、いたしかたない。
日本企画なのに日本盤CDではなく、アメリカ盤で発売されてしまったことも、
してやられた気分である。


ところで、今回のCDのジャケットを見て「ハッ」と気がついたことがある。
「不滅の古賀メロディー」で、和服にロングヘアの女性が艶やかに描かれているが、
ぼくの持っているアナログでは、この女性は髪をアップの日本髪にしているのだ。
イラストとは言え、モデルは確かに同じ女性だった。


つまり、このアルバムには2種類のジャケットが存在していたのだ。
しかも、同じイラストレイターに二種類のヘアスタイルを発注するという粋な小技で。


アメリカさんにしてやられた気分になっていたぼくを
最後に30数年前の日本のレコード会社の
茶目っ気たっぷりの創造精神が救ってくれた。