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なにかあり/とくになし

感激! 偉大なるライノ! その12

mrbq2010-11-02

カズー・オーケストラの
イタチの最後っ屁にも似た
偉大なる再結成が終わった。


ライノ・レコードのオリジネイター、
リチャード・フースと
ハロルド・ブロンソンにも
無事に会うことが出来た。


でも、
もうひとり忘れちゃいませんか?


数日前に見かけたまま、
結局あいさつ出来ずじまいになっていた
もうひとりの重要なライノ・ピープル、
ゲイリー・スチュワートのこと。


カズー・ブラザーズの宴が終わり、
旧友たちがやあやあとあいさつを交わし合う喧噪のなか
カラオケをバックにマイク一本で歌いはじめた
ルーベン&ザ・ジェッツのルーベン・ゲバラ


フランク・ザッパが60年代に制作した
ドゥーワップ愛にあふれたアルバム「ルーベン&ザ・ジェッツ」に影響を受け、
そのアルバム名をグループ名にして
ザッパのプロデュースでデビューした彼らのことを
覚えているひとはどれくらいいるだろうか。


あのファースト・アルバム
ちょっとした名作なんだぜ。


残念ながら
この夜も彼を待っていた観客は決して多いとは言えなかった。
だがひとりだけ、
歌うルーベンを正面から見据え、
一曲終わるごとに大きな拍手を送り続ける
図体のでかい男がいた。


彼こそ数日前にぼくが見かけた
あのゲイリー・スチュワートかもしれない
ゲイリーという名札をつけた男(今日は名札は見当たらないが)。


真剣にパフォーマンスを見届けている横から話しかけるのも
失礼に思えたので
ルーベンの歌をぼくも最後まで聴くことにした。


昔聴いたアルバムの
陽気でやんちゃな面影はあまり感じない
もっとコンテンポラリーなメロウ・ファンクといったスタイルだったが、
それは彼が現在も地元のクラブ歌手として
歌い続けていることの証明でもあるのだろう。


出番が終わるとそのままステージを前に降りてきたルーベンは
ゲイリーとしっかりと握手を交わしていた。
ゲイリーも彼を讃える力強い言葉を
与えていたように思う。


気がつくと
会場には先日素晴らしいライヴを聴かせてくれた
ジー・ミッドナイターズのウィリー・Gも姿を見せていた。


ぼくを見つけると
彼は親しげに近寄ってきた。
こないだのライヴ後に「日本から来た」と自己紹介していたのだ。


「よおよお、
 頼むぜ、おれを日本に呼んでくれよなあ」


冗談まじりに無理を言うおやじ。
でも日本の音楽ファンに
彼のライヴは見てもらいたいなあ。
東海岸にはフェリックス・キャヴァリエがいたけど
西海岸にだってウィリー・Gがいたんだと
もうちょっと理解してもらいたいんだがなあ。


さらに
「おまえに紹介するよ。
 こいつはビッグ・ダディのボブだ」


そう言って
ウィリーの脇にいた小柄なリーゼントおやじを紹介した。


なんだって?
ビッグ・ダディのアルバムは全部持ってるよ。
ああ、全曲「サージェント・ペパーズ」のカヴァー・アルバム、
持ってくればよかった。


そんなやりとりをしていたら、
ひとしきりルーベンとの懐かしい会話を終えたらしいゲイリーが、
ふらっと外に出て行こうとしているじゃないか。


ちょ、ちょ、ちょっと待った。
カムバック・ゲイリー〜!(もう一回だけ、ひつこくつづく)


感激! 偉大なるライノ! その12 松永良平


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告知です。
いよいよ今週末に迫ってまいりました。



「バンヒロシ大学」〜ビル・ヘイリーからバンヒロシまで〜
@京都五条ハライソ


open 19:00
start 19:30
charge \2000(1ドリンク込み)


出演
バンヒロシ(バンヒロシ大学学長)
安田謙一(京都ロック産業大学名誉教授)
松永良平(東京ハイファイ大学名誉助教授)


バンヒロシ氏の秘蔵音源や映像を軸に
京都ロックは、もとより日本ロックの歴史を辿る
トーク&エンターテイメントショー!


どうやらぼくも
トーク補助だとかDJだとか
なんだかちょこちょこ
やるみたいです。