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なにかあり/とくになし

散歩と散歩

年末年始を除けば
今年最後の休日。


でも原稿仕事で
終日つぶれました。


テープ起こしをして
起こしたものを構成してという作業はきらいじゃないけど
今やっている仕事は
相手が英語だから
頭をいつもより使う。


頭というより酷使するのは耳か。
早口で言い連ねられたセリフを
正確に聞き取りたくて
テレコを何回も何回もリピート。


そんな姿を見かねてか
ツマが「散歩に行こう」と誘ってきた。


あんまり時間ないんだがなと
いったんは躊躇したものの
作業のしどおしで頭がぼおっとしそうなのもあって
心変わりをした。


陽暮れの川沿いをてくてく歩く。


公園の暗がりで
めずらしく子どもたちが鬼ごっこをしていた。
こんなにくらいのに(と言っても、まだ5時だが)。
いやそれよりも
ごっこ文化まだ健在ということに
ちょっとおどろく。


いまどきのルールはどうなっているのか
訊いてみたい。
シビアな感じなんだろうか。


異常なニュースがあると
ぼくたちがメディアで目や耳にするのは
顔にモザイクがかかっていたり
声が変えられていたりする子どもたちばかりで、
そっちのほうがよっぽど非実在少年だよとも思う。


30分の約束だったが
結局40分くらい散歩した。
歩き出してしまえば
別にどうだっていいのだ。


帰宅後
ふたたび作業に戻る。


最近
仕事の手休めというか
明らかにさまたげになるほどよく見ているのは
googleがはじめたgoogle booksというサービスで見ることが出来る
ビルボード誌のバックナンバーだ。


ぼくが見た限りでは
1942年からはじまって
現代にいたるバックナンバーを
ほぼすべて無料で閲覧することが出来る。


おどろくべきことに
広告もだ。


とりわけ1960年代のビルボードに掲載された
レコード会社各社の広告ページ、
これがすごい。


それは
チャートでヒットしたとか
のちに偉大なアーティストになったという
結果が記した実際の歴史ではなく、
こういうアーティストたちと一緒に
こういう世界にしていきたいという
希望が記した架空のポップス史なのだ。
そこにしびれる。


一度見出したら
あちこちと寄り道して止まらない。
これも一種の脳内散歩だ。


あ、
あぶないあぶない。


今日は
こっちの散歩はよしとこう。



チキンのもも丸焼きが食卓に出た。
24日は帰りが遅いので
ツマのはからいで
前倒しのクリスマスなのだった。


すこし前倒しのクリスマスに
おつきあいください。
1968年
ぼくが生まれた年のビルボード
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