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なにかあり/とくになし

「クレープを二度食えば」を二度読めば

ツマから
以前にもらっていた図書券2枚。


ここのところ
漫画を読みたくてもあんまり集中出来る状態じゃなかった。
そろそろ大丈夫かと思い
出がけに書店に立ち寄った。


気がついたら
予想していたのとは違う2冊を購入していた。
そんなつもりじゃなかったのに。


そのうちの一冊は
とりみきクレープを二度食えば」(リュウコミックス)。


ライトノベル関係で
表題作についての盛り上がりがあっての再発売だそう。
柄にもないリリカルな青春SF集という宣伝文句が気になったし、
ぱらっと立ち読みした感じもわるくなかった。


いくつかの話で出てくる方言は
とりみき
ぼくと同郷であることをしっかり伝える
結構正確な表記だ。


表題作は
一度ちくま文庫でも発売されているとのことだが
あまり記憶にない。
同時期に出た「山の音」は買ったのに。


風呂であらためて読んでみると
想像したより
結構話があらっぽい。
フリッパーズ・ギターがアクセントに使われていたり、
80年代への憧憬にスウィートな香りはあるけれど、
単純なノスタルジーとは違う。
見た目よりゴツゴツとしている感じというのか。


でも
その不完全さというか
飲み込むと喉につかえそうな不格好さは、
商業的な制約を離れて
思いを存分に描こうとしたがゆえに
思いあまってこねまわした結果なのだろう。


ストーリー的には意外と正統的だし、
キャラも今風にかわいいとは言い兼ねるこの作品が
長くひそかに愛されているツボは
実はそこなんじゃないか。


不思議な余韻があって
風呂で二回つづけて読んだ。
めずらしいことです。