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なにかあり/とくになし

「空あります」

西村ツチカさんの漫画が好きで
ツイッターでもフォローさせていただいてるんですが、
先日
そのツイートで
ナマエミョウジさんという
ひとを喰ったナマエのイラストレイターのブログを教わった。


空あります」という写真ブログ。
これがおもしろいのだ。


系譜としては
「宝島」の「VOW」を汲んでいるのだけど、
もうちょっと詩的というか私的というか、
くだらないものや
情けないものに対して
上から目線でくさすのではなく
「にくいねえ」とか
「元気でな」みたいなふうに
声をかけているような感覚がある。


写真も
コメントも
クールなようでいて
はしばしが人間臭いというのかな。


なかでも
「コンストルクチオン」シリーズと題された
街なかの建築物の醸し出す
不思議な”人間”模様を写し取ったシリーズが
きわめて秀逸。


震災後、
その「コンストルクチオン」の新規掲載をしばらく控えていたというナマエさんは
投稿を再開するにあたっての腹づもりを
8月11日付ブログに掲載している。


自分にとってひどく大事なテーマを
心揺らぎながら真摯に問いつめた文章で
息をひそめるように
しばらく何度も眺めてしまった。


誠実に生きているひとたちがもたらしたほころびを
消えてしまわないうちに
愛情をもってきちんとすくいあげる。


そういう態度が
それをふと笑ってしまう日常が
この先の世界からも消えてなくならないでほしいと
ぼくも切に願うから。


ちなみにこのブログ、
2011年1月までは別サイトで続けられていて
その旧ブログも当然ながらおもしろい。


そして
ナマエさんの漫画のページも。


ぼくが好きなのは「ケンカ」の話。


初めて知ったひとは
どうぞナマエミョウジの一部始終を
今夜一晩中、寝不足になるまで見ててください。


西村ツチカさんのことは
ぼくが勝手に読者で勝手にファンなだけだが、
ツチカさんがナマエさんを好きな理由は
なんとなくわかるような気がする。