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なにかあり/とくになし

とんだ橋違い

JR飯田橋駅の東口で降りたとき、間違えたかと思った。
うろ覚えのせいか、道に迷ったのだ。
首都高速を頼りにもう一度地図を思い出し、
てくてく歩いていると「ベースボールマガジン社」に出くわした。


会場はもうすぐそばである。
待てよ、ベースボールマガジン社ということは
もうここいらは水道橋ではないか。
とんだ橋違いでした。


おかげで少し遅刻してしまった。
そこで行われていたのは、
週刊ファイト」編集長の井上譲二氏とターザン山本氏のトークショーである。
井上氏の佇まいと、関西の落ち着いたイントネーションから放たれる
古さ、重さ、律儀さにぼくは打たれた。
そんな実直さを持ちながら、記事のためにがんがんスキャンダルを抜く。
そのため、ほぼすべてのレスラー、プロレス団体から嫌われている。


噂の真相」に続いて、
面白い雑誌がまた無くなった。
雑誌がなくたって、岡留氏(「噂真」の元編集長)は
いくつか他誌で連載をやっているではないかと
言われればそりゃそうだが、
連載と雑誌は違う。


連載記事は行政特区みたいなもの。
それに対して雑誌は編集長の王国である。
王国だから戦争もする。
ものを作るという欲望の根本に、王国願望はなくてはならないはずだよ。