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なにかあり/とくになし

「上京アフロ田中」を読む

あらためて
新年の初出勤。


出がけに
ものすごく久々に「スピリッツ」を買う。
とめはねっ!」が表紙だったから。


だがしかし
ないんだ、読むのが。


かろうじて「とめはねっ!
そして「団地ともお
そして「上京アフロ田中
そして「じみへん」。


あ、忘れてた「ウシジマくん」。


電波の城」はおやすみ。


のりつけ雅春上京アフロ田中」は
ちょうど
主人公のデブな友人、井上と
地味すぎるルックスと無口な性格ゆえに
ロボと呼ばれた女性の結婚式だった。


そうか。
長年にわたって
いろいろあったふたりが
ついに結婚するのか。


おそらく地方都市では
とてもよくあるタイプの結婚式の風景を
実直に描いているのだが、
すごく感動した。


なんだろう。
まるで普通の
まるで漫画っぽくない
まるでギャグっぽくすらない
結婚式の話がこんなに感動できるのは。


それほど熱心な読者ではないぼくでも
ふたりの結婚と
ふたりに祝辞を送る主人公の姿に心が動いた。


地道なくすぐり笑いと
さえない人生の中に
鈍い輝きを見いだす姿勢を
「高校」〜「中退」〜「上京」と
とつとつと積み重ねてきたこの連載が
ついにたどりついたひとつの境地かしら。


気がつけば
「スピリッツ」を立ち読みだけで済ますようになってからも
上京アフロ田中」だけは意識して読んでいた。
まるで今は離れてしまって連絡も取れない
昔の友だちの毎日を報せてくれる手紙のように。


この先もコミックをまとめて揃えることはないと思う。


時が確実に流れていることを
これほど愛おしく思い知らせてくれる漫画を
まとめて読むなんて失礼だ。