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なにかあり/とくになし

倫敦巴里

一時期あれほど原発放射能汚染に対する
手厳しい記事が載っていたのに
最近の「週刊現代」は
心の底からがっかりするくらい内容が薄い。


デモのデの字も載ってないうえに、
いまだに芸能人と暴力団のつながりがどうしたこうしたとか、
今さらいったいどこのだれが
そんなに求めているんだろうか。


無愛想に字を並べただけの表紙もひどいなと思う。
これをデザインというのなら
表紙代だけ返金してくれ。
旅の機内のひまつぶしとは言え
買うおれもおれだと猛省する。


それでも
今週せめてもの救いだと思えたのは
連載企画の「わが人生最高の10冊」が
清水ミチコさんだったこと。


しかも
清水さんが生涯最高の一冊として選んでいたのが
和田誠さんの名著「倫敦巴里」なんだから
なおのこと。


話の特集」に
氏が実験的に掲載をしていた
画と文章による徹底的なパロディとブラック・ユーモアを集大成して
一冊の本にまとめたもの。


氏のブラックな面を代表する作品として知られる
「殺しの手帖」(「暮らしの手帖」のパロディ)を収録した一冊で、
ニャロメをサミー・デイヴィス・ジュニアにしたイラストとか
最高であり
最狂な瞬間が無数にある。


時代を反映しすぎているという判断からだろうか、
この名著は残念ながら一度も復刻されていないが、
当時かなりのヒットをしたらしく
古本屋をちょっと回れば
大枚をはたかずとも手に入れることが出来る、今のところ。


清水さんは20代前半でこの本に出会ったことに
深い感謝を述べていたが、
ぼくもおなじくらいの年齢で
この本に出会った。


今でも全然おそくない。
是非復刻をしてほしい。


そして
同じころに
同じタイトルを持つこんな曲にも出会ったことも思い出した。


どちらも
まだぼくには大切な存在のままだ。